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リモートセンシング・GIS

地表変位解析

【事例1】衛星SAR差分干渉による地表変位の解析

衛星SARデータの差分干渉処理では、2回の観測の間に生じた地表の変位量を解析します。 変位量は、衛星から地表を見たときの視線(LOS: Line of Sight)方向の変位として検出されます。 用いられるラジオ波の波長は、一般的にCバンド(5.6cm)やLバンド(23.6cm)であり、検出可能な変位量は用いる波長の1/10~1/20と言われています。
新潟県中越沖地震(図1)では、LOSで約30cmに達する短縮が地震により生じたことが判ります。
能登半島地震(図2)では、LOS方向の短縮は50cmを超えていました。

図1:新潟県中越沖地震(2007年7月16日)

図1:新潟県中越沖地震(2007年7月16日)

図2:能登半島地震(2007年3月25日)

図2:能登半島地震(2007年3月25日)

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【事例2】衛星SAR差分干渉が捉えた四川地震による地表変位

2008年5月12日に中国・四川省で発生した四川地震では、延長が200kmを超える龍門山(Longmenshan)断層の活動により、広範囲にわたる壊滅的な被害が生じました。 図1は龍門山断層の北部周辺の衛星SAR差分インターフェログラムです。図2は図1の位相を繋げて視線方向の変位量に変換したもので、短縮量は地域によって60cmを超えています(赤色部)。 推定される龍門山断層(赤矢印)の北盤上の青色部は、衛星から遠ざかる(東に向かう)センスを示しており、黄色~赤の部分が衛星に近づく(西に向かう)センスであることを考えると、 断層の活動センスは右横ずれ走向移動成分を伴うものと推測できます。図3は、干渉処理の過程で得られるコヒーレンスと呼ばれる量で、2回の観測の間に地表の状態が変化するとコヒーレンスの値は小さくなります。 推定される龍門山断層を境として、北側のコヒーレンスは南側に比べて著しく低く、地震によって断層の北側(即ち上盤側)の地表が激しく擾乱されたことを示唆しています。 地震による被害が極めて大きかった北川県(Beichuan:図のほぼ中央)は、断層のほぼ真上に位置していることが、この図から容易に推定できます。

図1

図1

図2

図2

図3

図3

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【事例3】衛星SAR差分干渉が捉えた四川地震による龍門山断層帯の地表変位

Path 476の干渉結果は、2008/4/08と200/5/24のペアによる衛星SAR干渉結果ですが、今回の四川地震の震央は、干渉画像ストリップのほぼ中央東端に位置する赤色部に相当します。 Path 473では、視線方向の変位量の相対的な差は約80cm(-20~+60)ですが、Path 476では約140cm(-80~+60)に達しており、震央付近においてきわめて大きな差異が生じたことが類推できます。 背景のLandsat 7画像から判る龍門山断層の北東-南西方向の伸びを考慮すると、震央付近の変位の符号が逆になっていることは、隆起・沈降の鉛直成分より走向移動成分を強く反映している可能性が指摘できます。

図1

図1

図2

図2

図3

図3

図4

図4

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【事例4】岩手・宮城内陸地震による衛星SAR差分干渉地表変位の解析

2008年6月14日に岩手県南西部で発生した岩手・宮城内陸地震(マグニチュード7.2)の地震前(2006年6月24日、2007年6月21日)と 地震後(2008年6月24日、2008年6月23日)の降交軌道(図1、図2)および昇交軌道(図3、4)各々のALOS搭載合成開口レーダー(PALSAR)データセットを用い 差分干渉処理により地表変位状況を解析したそれぞれのSAR差分インターフェログラムと視線方向の変位量に変換した結果です。

図1

図1

図2

図2

図3

図3

図4

図4

図5、図6、図7は、昇交・降交軌道のPALSAR干渉処理結果に基づき3次元の変位に換算した結果を表した図です。
この結果から下記の地表変位の特徴を把握することができます

  • 東西の水平圧縮と隆起・沈降のセンスが顕著
  • 断層の上盤は東南東に,下盤は西北西に向かって移動?
  • 上盤で隆起、下盤で沈降。但し断層上盤の一部に70cmに達する沈降部が認められる
    (栗駒火山噴出物の分布域に相当)

昇降軌道ペアのLOS単位ベクトルを(X、 Y、 Z)に分解すると、(-0.5452、 -0.0971、 0.8326)、降交軌道ペアの場合は(0.6677、 -0.1017、 0.7374)となります(Xは東方向がプラス、Yは北方向がプラス)。 XYZの変位成分は、これらにLOS方向の変位量を乗じて求めます。厳密には,ルック角はクロストラック方向に変化するため上の単位ベクトルの成分も若干変化しますが、 ここに示すものは、計算を簡単にするため震央付近のルック角(昇降軌道;33.63度、降交軌道;42.49度)を使用し算出しています。 また、震央付近では地震による地表改変が著しかったために、干渉結果のコヒーレンスが低く、干渉位相は不連続となっています(上図参照)。 このため、実際の変位量は、干渉SAR処理結果から計算されたものより大きいものと考えられます。

図5

図5

図6

図6

図7

図7

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【事例5】ネパールカトマンズ北西部のM7.8の大地震の衛星SARの差分干渉による地表変位

2015年4月25日11時56分(ネパール時間)に,カトマンズの北西約77km,地下約15kmを震源とするマグニチュード(Mw)7.8の地震が発生しました。 図は,この地震の前(2015/4/17)と後(2015/4/29)に,欧州宇宙機構のSentinel-1衛星によって観測された,CバンドSARデータの差分干渉解析の結果です。 アメリカ地質調査所のメカニズム解はNNE-SSW方向の圧縮を示しており,衛星データの解析結果は,東西方向に100kmを超える広範囲が隆起したことを示唆しています。 最大の隆起部はカトマンズの東北東約20kmに位置し,その隆起量は1.2mを超えるものと推定されます。

図1

図1

図2

図2

図3

図3

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